クリスマスローズ咲きました。 |
3年という月日
山野草盆栽は3年くらい育てると、草同士なじみ、自然の風景に近づいてきます。作品によっては、根洗いという別の形に仕立てることもできます。樹木の盆栽にしようと、挿し木したものも、3年くらいたつと素材として使えるようになります。鉢に入れて育て始めた素材の木も、3年くらいたつと味わいが出てきます。盆栽をやっていると、3年という月日がいいものに近づく一つの目安となるような気がします。3年、毎日水をやり、眺めて育てると愛情も伝わるのでしょうか?
睦草を初めて3年半。皆さまの育てた作品が素敵な景色になってくるのを一緒に見られるようになってきました。中には、最初に植えた草花が消えてしまった方もいらっしゃるかもしれません。でも、一つでも残っていたら、それは、いくつかの冬を超え、味わい深い姿になっていることと思います。それに少しだけ草花を加えて作ると、すべて新しく作る作品とは違う、風格のある作品に仕上がります。それも山野草盆栽の楽しさです。ぜひ、時を経た草花を楽しみましょう。そして、新しく始めた方は、まずは、3年と思ってお世話をしていきましょう。
3月のお手入れ
置き場所新芽が出る頃は、一番日光が大切な時期です。どの鉢もよく日のあたる場所に置きましょう。部屋に飾るときは、1日か2日にして、できるだけ長く外に出すようにします。
水やり
水やりは1日に1回が目安となりますが、春一番が吹く頃です。風が強いときは、こまめにチェックしましょう。
水やりは1日に1回が目安となりますが、春一番が吹く頃です。風が強いときは、こまめにチェックしましょう。
肥料
肥料開始のタイミングです。新しい肥料をケースに入れて鉢の縁にさしましょう。
置き肥は効果が出るまでに少し時間がかかります。秋の肥料が十分でなかった場合などは、薄めた液肥をあげてもよいでしょう。
置き肥は効果が出るまでに少し時間がかかります。秋の肥料が十分でなかった場合などは、薄めた液肥をあげてもよいでしょう。
小さな鉢の中の土だけで生活する草花にとって、肥料はとても大切です。私は、我が家の犬のごはんと同じと思っています。犬はごはんを催促しますが、草花たちは無言です。餓死させないように、しっかり施しましょう。たっぷりあげると病害虫に強くなり、花や実もたくさんつくようになりますよ。
害虫対策は早めに実施
例年、4月にご案内しているのですが、先日、ツマグロヒョウモンの幼虫がスミレの葉を食べているのに遭遇しました。温暖化の影響で、虫達の活動も早いのかもしれません。少し早めに害虫対策のご案内です。
例年、4月にご案内しているのですが、先日、ツマグロヒョウモンの幼虫がスミレの葉を食べているのに遭遇しました。温暖化の影響で、虫達の活動も早いのかもしれません。少し早めに害虫対策のご案内です。
発生してしまったら、手やピンセットで取り除くか殺虫剤で対処します。この時期に注意したいのは、アブラムシ。見つけたら、すぐに取り除くか殺虫剤をスプレーし、オルトランなどの顆粒状の薬剤を根元に施します。私は株元に小指の先ほどの穴をあけ、その中に顆粒状の薬剤を入れ、また土を戻しておきます。水やりで溶けた薬剤が植物に吸い上げられ、葉を食べた害虫を退治することができます。
オルトラン粒剤は、100円ショップで売っている、高さ13㎝ほどの調味料入れに小分けしておくと、すぐに手軽に使えて便利です。
ナメクジは一年中出てきます。夜行性なので夜、懐中電灯でかざすと見つけられます。私はナメクジに遭遇することを避けたいので、忌避剤を鉢に蒔くようにしています。
早めに処理をするためにも、毎日の観察を欠かさないようにしてくださいね。
早めに処理をするためにも、毎日の観察を欠かさないようにしてくださいね。
植え替え
植え替えや根洗いにするのによい時期です。3年ほどたった鉢は、根がまわって弱ってきてしまう頃なので、一回り大きな鉢に植え替えするか、鉢からぬいて根洗いにします。
ヒメアブラススキは、強い芽が出てきたら、地際で切ると、その横から少し弱い芽が出てきます。強い芽はかなり背が高くなるので、6月~7月くらいまでは強い芽をカットします。
苔玉の苔
乾燥した寒風にあたって、苔玉の苔が茶色になってしまった方もいるかもしれません。茶色のうちは、まだ大丈夫。しばらく様子を見ているとまた復活してきます。茶色の部分の下に緑の苔が隠れている場合があるので、茶色の部分をはさみでカットするとよいでしょう。 黒くなってしまった場合は、水のやりすぎかもしれません。水の量を調整しましょう。黒くなった苔は、死んでしまっているので、苔の張替えをします。
教室でのお手入れの様子
春、早い時期に、お手入れするのはとても大事です。新芽に太陽の光が届き、風通しもよくなると植物にとってもいいですし、不用な雑草も簡単に抜くことができるからです。まずは自分の鉢を一つ一つチェックするところから始まります。ただ、いろいろ芽生えた新芽、抜いたほうがよいかどうか、最初は迷うもの。そんなときは、ぜひ、鉢をお持ちください。今回は、新たな鉢を作って、余った時間に行ったお手入れをご紹介します。今回、今までに作った鉢を二つ持ってこられました。
お手入れ前 |
鉢を一つ一つ見て、次のことを一緒に行いました。
①植えた草で茶色になっている葉や茎、大きくなりすぎた葉を根元からとる。
②新たに生えてきた草を一つ一つ確認し、抜いた方がよい草は抜く。(雑草、鉢の縁に生えてきたものなど)
③鉢をよく見てどこを正面にするかを決める。
④新たに増えた草で多すぎるものは抜く。
⑤正面から見て、位置が悪いものは、抜いて、よい位置に植えなおす。(ex.一直線に並んだものを不等辺三角形に配置)
⑥苔を一旦はがし、綺麗な部分を使って、株元近くから貼りなおす。
「3鉢くらいやると手順やコツがわかってきました。どんどん葉をすっきりさせたくなってきます」とのお言葉。最初は抜いたり切ったりすることに躊躇します。でも、一度スッキリさせることを体験すると、その方が見た目にもいいし、植物にもいいことがわかってきます。慣れることが大切なのかもしれません。
お手入れ後 |
「鉢がスッキリすると、気持ちもスッキリしました。」そんな感想をいただきました。一度スッキリさせることを体験すると、その方が見た目にもいいし、植物にもいいことがわかってきます。慣れることが大切なのかもしれません。
作品を蘇らせるこの作業が、私は一番好きです。ぜひ、みなさまにもその嬉しさを味わっていただけたらと思います。いくつかまとめてお手入れしたい場合は、お手入れレッスンもあります。持ち運びのご都合に合わせて、申込時にご相談ください。
あなたはだぁれ?
植えていないのに、鉢から新たに芽が出てくることはよくあります。どこかから飛んできたり、苔に種がついていたものが芽生えたり。この新芽、何かよくわからないと抜いた方がよいのか、そのまま育てたらよいのか迷います。こちらでは、新芽の写真をあげて、どんな草花なのかご紹介いたします。
これは、ヒメウズの新芽。サイズ的にも形的にも、ハート型の三つ葉のカタバミに似ていますが、よく見ると、ハート型ではなく、切れ込みの葉。オダマキの葉のミニチュアです。花も小さなオダマキですが、約2.5㎜と小さいです。見過ごすような小さな草花ですが、とてもかわいらしいです。
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra48/
あなたはだぁれ?のアーカイブはこちら
3~4月に活躍する草花
山地の明るい林下に自生する多年草。切れ込みの入った葉を持ち、白い花びらで中央に赤紫のラインが入った花を3月~4月に咲かせます。スミレは消えてしまうものも多いのですが、ヒゴスミレは丈夫でこぼれ種で増えてくれます。
この草花の入った山野草盆栽は、https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra156/でご覧いただけます。
春の野草観察ツアー
◆日時2023年4月2日(日)
◆場所 高尾山裏の小仏川沿いを約3㎞散策
参加希望の方は、メールにてご連絡ください。人数によって、案内の方の人数を調整するので、お早目にご連絡をいただけますと幸いです。詳細は先月号の睦草だよりを確認ください。
上記日程が難しいけれども、興味がある方は、駒木野庭園主催の春の野草観察会があります。こちらは直接庭園への申し込みで、先着順です。こちらのページを参照の上、直接申し込みください。
睦草模擬展示会&交流会
◆日時 4月21日(金) 14:30から17:30
まだ参加希望の方は、ぜひメールにてご連絡ください。詳細は先月号の睦草だよりを確認ください。
睦草のイベントは、自由参加です。興味のあるものありましたら、ご参加ください。
展示会・イベント情報
「陽春 庭園ぼんさい展」と「山草フェアー」をご案内しています。詳細は、展示会・イベント情報のページをどうぞ。教室の日程・予約について
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、定員3名にして実施いたします。
定員が少ないのでご希望の日程が既に満席となるケースも多いと思われます。そのような場合は、今設定されていない日程でもよいので、皆さまのご都合の良い日程をご連絡ください。教室の都合が合えば、新規日程として追加いたします。
また、メールでの教室のご予約は、こちらを参照ください。定員が少ないのでご希望の日程が既に満席となるケースも多いと思われます。そのような場合は、今設定されていない日程でもよいので、皆さまのご都合の良い日程をご連絡ください。教室の都合が合えば、新規日程として追加いたします。
今後の教室の予定
4月までの予定を公開しています。4月の予定は、調整中です。決まりましたら、以下のサイトからお申し込みサイトへのリンクを貼るようにいたします。ご確認の上、お申し込みください。(Peatixでフォローしていただくと、予定を公開したタイミングでメールが飛ぶようになります。)