睦草だより 第4号 2020年1月

今年のセンリョウは実がいっぱいつきました

あけましておめでとうございます   


 新年、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 今年は、庭のセンリョウがたくさん実をつけました。お隣三軒にお裾分けしてもまだたっぷりと残るほどの大株です。でも、これは私が植えたものではありません。五年前に、庭の隅に突然、出現しました。多分、鳥の落とした種から芽生えたのでしょう。毎年毎年少しずつ大きくなって、今ではこの時期の庭の主役です。

 山野草の盆栽でも似たようなことが起こります。こぼれ種で突然、別の植物が芽生えるのです。これを「飛び込み」と言います。山野草の盆栽は植えた植物が消えてしまうことがよくありますが、飛び込みによる新たな芽生えもよくあります。年々変わっていく景色を楽しむのです。こぼれ種から芽生えた苗は丈夫で、自然風になってくれるのが嬉しいところ。これから春に向けていろいろな新芽が出てきます。ぜひ、よく目をこらして見てみてください。最初は何が出てきたのかわからないと思います。でも、そのうちに、葉の形や色で植物がわかるようになります。まずは、大切に見守ってみましょう。新芽の写真を送っていただければ、何なのかお伝えすることもできると思います。また、寂しくなったスペースに、わざと種をこぼして飛び込ませることもできますよ。

 このように、作ったあと長い時間をかけて景色を作っていくのが山野草の盆栽の楽しさです。今年もみなさまとその楽しさを一緒に味わっていくことができればいいなぁと思っています。


1月のお手入れ

置き場所
 引き続き、寒さが厳しい時期です。寒風が直接当たらないようにベランダの内側や軒下に入れるなど工夫します。 ユキワリソウなど、半日陰が好きな草花も、この時期はよく日にあてます。

水やり
 凍結と水切れに注意です。引き続き、水やりは2日に1回が目安です。ただし、風の吹き具合、空気の乾燥の程度で鉢の乾きは変わります。鉢の表面をよく見て、鉢や苔玉を手で持って、重さで乾き具合を確かめましょう。なお、午後遅くや夜間にあげると鉢内の凍結につながるので、午前中に済ませます。特に苔玉や根洗いなど、皿から吸水させるものは、昼には皿に水がなくなるように水の量を調節しましょう。

肥料
 12月から2月までは、肥料はお休みです。

枯れ葉、枯れた茎

 一年草や宿根草、落葉樹は葉や茎が枯れてきますが、冬枯れの姿を楽しみます。ただし、地面に落ちた葉は、こまめに取り除きましょう。
  寄せ植えをした草花によっては、全てが枯れたように見えるものもあるかもしれません。それでも土の中で根は生きています。水やりを忘れないようにしましょう。
ススキの冬枯れの姿

今年一年の計画

お手入れが一番少ない時期です。いくつか鉢を持っている人は、この時期に、一つ一つ丁寧に観察し、今年のプランをたてるのもいいでしょう。3年くらい経過したものは根が回ってきているので、根洗いにするか(鉢から抜いて、まわりに苔をつけてそのまま楽しむ)、鉢増しするか(一回り大きな鉢に植え替える)検討します。最初に植えた草花が消えてしまって寂しくなったものは、リメイクすることを考えます。残った草花と鉢にどんなものをプラスしたら素敵か、考えを巡らせるのも楽しいものです。最初はよくわかないと思うので、ご相談いただければ一緒にプランを考えますよ。
 根や芽が動き出す2月、3月は、新たに作るのはもちろん、根洗いや植え替え、リメイクをするのに一番いい時期です。ぜひ、チャレンジしましょう。


飾る楽しみ

カナシデと冬眠ヤマネ
 落葉し、少し寂しさを感じる時期ですが、葉の落ちた姿も一つの風景です。ほとんど葉を落としたカナシデの苔玉と冬眠しているヤマネの人形を一緒に飾ってみました。森の中を表現したかったので、自然石のお皿です。そばに枯れ色のポプリを散らしました。 

 ヤマネの人形は、大崎 透さんという笠間焼の作家さんの作品。見ているだけでなんだか心が休まります。

 ご参加くださった方から、「苔玉をのせるお皿や一緒に飾る小物や探す楽しみができました。」という嬉しいお声をいただきました。みなさまも、今までとは違う目でお皿や小物を探してみると楽しいですよ。素敵なものとの出会いは、器屋さんはもちろん、骨董市もおすすめです。

1~2月に活躍する草花

フイリユキノシタ 御所車
 ユキノシタは半日蔭のやや湿り気のある土壌を好んで自生しています。御所車という名前をもつこのフイリユキノシタは、縁が赤い、かわいらしい品種。花の少ないこの季節に彩りを添えてくれるので、お正月の寄せ植えにもピッタリ。一年を通して葉を楽しめ、5月~7月にかけて小さな花も咲かせます。小さな鉢に植えると葉が小さくなり、可憐な姿になるのでお勧めです。寄せ植えなどで大きな葉が出てきた場合は、それを切り取って、小さなサイズを保つようにします。

Q&A

 みなさまからいただくご質問、他のみなさまも同じような疑問をお持ちかと思いますので、このお便りでご紹介します。

Q 雪の日も外に出しておいてよいですか?

A 雪が降っても外に出しておいて大丈夫です。ただし、雪が積もって、枝や茎が折れてしまうようなものは、雪が積もらない場所や、部屋の中に避難させましょう。家の中に置くときは、寒暖差が大きくならないよう、暖房のない部屋がおすすめです。

Q ハゼノキをあまり大きくしたくないのですが、どうすればいいですか?

A 高さを低くしたいときは、切り戻し剪定をします。時期は、2~3月、5~6月の成長期。葉っぱが伸びる分も考慮して、これくらいで押さえたいという場所に芽を探して、そのすぐ上で切ってください。その時に、枝を伸ばしたい方向の芽の上で(右にのばしたいなら右についている芽の上で、左にのばしたいなら左についている芽の上で)切ってくださいね。一般的に外芽(外側についている芽)の上で切るといいと言われています。剪定の原理については、ミニ講座(5月)でもご説明しますね。また、ウルシ科のハゼは、樹液に触れるとかぶれることがあるので、作業する時は手袋を着用するなど充分注意をしてください。

2月3月の教室のお知らせ 

通常教室@睦草アトリエ 
2/23(日)14:30-17:30 鉢盆栽
2/24(月)14:30-17:30 鉢盆栽
2/28(金)10:00-13:00 鉢盆栽
2/29(土)10:00-13:00 鉢盆栽
3/13(金)10:00-13:00 鉢盆栽
3/14(土)14:30-17:30 鉢盆栽
3/15(日)10:00-13:00 鉢盆栽
3/22(日)10:00-12:00 苔玉
3/22(日)14:30-17:30 鉢盆栽

以下のサイトからお申し込み下さい。パスワードは「8787」です。
2月予約サイト
3月予約サイト

 なお、CAFE&SPACE PushPullにて行う教室は、体験レッスンの方、専用となります。体験希望のお友達と一緒に参加されたい場合は、通常教室の方にお申し込みください。

睦草だより バックナンバー

第3号 2019年12月
第2号 2019年11月
第1号 2019年10月

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