山野草の寄せ植え盆栽をいくつか組み合わせて、その季節ならではの景色を作るのが席飾り。それらを見ていただくリアルな展示会はまだ難しいので、写真に収めてWeb上で見ていただくWeb展示会という形をとっています。希望者を募って、生徒のみなさんと私の作品の写真を撮りました。山野草の盆栽の見所は、咲いている花のみならず、つぼみや種姿、穂、草もみじなどさまざまです。合わせる陶板や、添配もそれぞれ各自工夫しました。この季節ならではの植物たちの作りだす景色を、ぜひご覧ください。
■展示作品 2023年10月撮影 東京狛江にて
■展示作品
作品名は左から
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岩淵 幸子
フユイチゴ・ボントクタデ・イヌコウジュ・セントウソウ
(自作鉢)
イヌコウジュの葉
フユイチゴの葉と添配の小さな家
今回は、体験陶芸教室で作ったインパクトのある自作鉢を主役に席を構成。他の鉢も加えての2点飾りや3点飾りも考えましたが、鉢の色やテクスチャーにマッチした陶器の小さな家を添配にしたシンプルな席飾りに。フユイチゴの緑の葉が鉢や添配に映え、おおらかに伸びた赤い茎と小さなピンクの花のボントクタデがもう一つのポイントになっています。家の小さな丸窓の中から小鳥がのぞいており、物語が生まれそうな景色になりました。このあと、フユイチゴもボントクタデもイヌコウジュも草紅葉になります。その頃を想像するのも楽しい作品です。
江川 真理子
リンドウの花
五点飾りに初めて挑戦した作品です。「秋めいていく中での花々」というテーマの風景。主役の鉢は、綺麗な色のリンドウがピッタリのタイミングで咲いてくれ、枝垂れたノギクとイヌタデが彩りを添えています。一方、受けは可憐な赤い実のジュズサンゴ。今年はたくさん実をつけています。草紅葉の綺麗なユウゲショウと可愛らしく咲いたヒメタデ、シュッとしたヤクシマススキが脇役として秋の雰囲気をさらに醸し出してくれました。自作の陶盤や、セイタカアワダチソウの茎を並べた敷板?なども景色に馴染んで素敵です。
片倉 桃子
ビナンカズラ
ノギク
ノギクの花
カタバミ・ビナンカズラ
カタバミ
こちらは、ちょうど咲き始めたノギクを主役とした席飾りです。つぼみの時は色濃く、だんだん咲き進むにつれて色が薄まっていくノギク、そのグラデーションが見事です。一方で受けにしたのは、実生から育てたビナンカズラ。少し個性的な形の鉢に入れたことで、つる植物の面白く伸びる様が活きているように思います。添えにしたのは、カタバミ。道端によく生えているカタバミもこうして小さな鉢に入ると、趣があります。自作のとても薄い鉢との相性もぴったりで、野に咲く様子を映し出しています。