山野草盆栽や草木盆栽をいくつか組み合わせて、その季節ならではの景色を作るのが席飾り。盆栽教室の生徒の皆さんの作品を見ていただくリアルな展示会はまだ難しいので、写真に収めてWeb上で見ていただくWeb展示会という形をとっています。希望者を募って、盆栽教室の生徒のみなさんと私の作品の写真を撮りました。山野草盆栽や草木盆栽の見所は、咲いている花のみならず、咲いた後の種姿、綿毛、穂、紅葉、黄葉、樹の立ち上がり、枝ぶりなどいろいろあります。そのため、12月でも、素晴らしい景色が作れるのです。この季節ならではの心がほっとする景色をぜひ、ご覧ください。。
■展示作品 2024年12月15日 東京都狛江市にて撮影
■展示作品
作品名は左から
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江川 真理子
ユキヤナギ・オヘビイチゴ他
コバノタツナミソウ(自作陶盤)
ノギク・リンドウ・コバノタツナミソウ(大竹慎一郎さんの鉢・自作陶盤)
ユキヤナギの紅葉とオトギリソウの種姿
伸びやかに斜上するヤマコウバシの草木盆栽。紅葉は、1週間ほど前がピークでした。それが見られなかったのは残念ですが、落ちずに残った葉が初冬のこの季節ならではの景色を作ってくれています。カサカサ音がしそうな落ち葉に加え、陶芸教室で作った落ち葉の添配も仲間に入っています。それに合わせたのが、ピッタリのタイミングで紅葉したユキヤナギ。オヘビイチゴの緑の葉と色づいた赤い葉が、ユキヤナギの紅葉をさらに引き立てています。今回、初めて根洗い仕立ての作品が加わりました。コバノタツナミソウの小さな花と種姿の根洗い、席全体にやさしさをプラスしてくれています。
中野 優希
ホトトギス青藤
コバノズイナ・コガネシダ・
ホトトギス青藤
ホトトギス青藤の花
コバノズイナの紅葉
岩淵 幸子
セントウソウ・ササ (自作陶盤)
ユウゲショウ
シモツケ・ヒメカンスゲ・アメリカスミレサイシン (大竹慎一郎さんの鉢・自作陶盤)
セントウソウ・ササ
ユウゲショウ
ちょうどよいタイミングで黄色、オレンジ、赤と色とりどりに紅葉したシモツケをメインに、飾っていただきました。シモツケは、葉が少なくなってやわらかな枝ぶりがよく見えるようになり、背後のヒメカンスゲがそれをさらに光らせています。合わせたのは、軽石に植えたセントウソウ。緑たっぷりの葉と全体のシルエットがシモツケの鉢と好対照で、お互いに引き立てあっています。こちらも、初めて根洗い仕立ての作品が加わりました。ユウゲショウの小さな根洗いですが、ひょろっと伸びた姿が、やさしさと軽やかさを醸し出しています。
片倉 桃子
こちらも、ちょうどよく黄葉したシモツケをメインに考えた席飾り。シモツケも育てている場所によって、色づき方が異なります。黄色い葉の色づきも素敵だなと思わせる、黄からオレンジへの繊細なグラデーションが魅力です。それに合わせたのが、こちらも優しいトーンで色づいたジュズサンゴ。変わった形の鉢が山の斜面から伸びる姿を演出します。ピンク色の落ち葉も横に添えたら、よいアクセントになりました。ヒダカミセバヤの小さな葉も黄色からピンクに色づいて優しいカーブを描いています。全体的に淡い色合いの紅葉・黄葉でそろえた席飾り、穏やかな気持ちにさせてくれます。
勝木 順子
ユキノシタ
ヤブコウジ・コクリュウ・ユキワリソウ(遠藤正樹さんの鉢)
今回、初めて参加してくださいました。昨年は、実がつなかなったヤブコウジが今年は、たくさん実をつけたとのことで、それをメインに飾っていただきました。赤いピカピカ輝く実をたっぷりつけたヤブコウジを、コクリュウの黒い葉が引き立てています。やさしくカールするコクリュウはまるでリボンのようだとの声も。一緒に合わせたのは、小さなユキノシタの鉢。葉の小さなユキノシタがたくさん広がっています。寒い季節の赤い実はやはり心がほんわかします。これからの季節、たっぷり楽しませてくれそうです。
岩下 由紀子
ヒメカンスゲ・オトギリソウ (自作陶盤)
ジュウガツザクラ・スズメノヤリ・ノギク(自作鉢)
ヒメカンスゲ・オトギリソウ
ジュウガツザクラの花
ジュウガツザクラのつぼみ
ポツポツと咲き始めたジュウガツザクラをメインに、静かな冬の始まりの景色の席としました。ジュウガツザクラのはずなのに、今までは秋には咲かないか、咲いても一つか二つでしたが、今年は、たくさんつぼみをつけてくれました。そして、この展示会に合わせたかのようにつぼみが膨らみ咲き始めました。ぽつぽつと咲く、この時期ならではの桜の景色です。合わせたのは、ジュウガツザクラの優しい花色をそっとひきたててくれるオトギリソウの草紅葉。柔らかにカーブした葉もいい味を出してくれました。
みなさん 現場で最終調整をするために、いくつか候補の鉢を持ってきています。
それらの全員集合の写真です。