睦草だより 第22号 2021年7月

 
ヒトツバショウマの花のアップ
ヒトツバショウマ咲きました



山野草は突然消える


 山野草の盆栽を長年育てている先輩から、「山野草は今まで元気だったものが突然消えたりするのよ。」と教えていただきました。自分の管理が悪くて枯らしてしまったことはよくあったのですが、突然消えるという経験はあまりありません。でも、今年初めて経験しました。出てくるはずの場所にツクシカラマツの新芽がいつまでたっても出てきません。幸い、ツクシカラマツはいろいろなところに株分けして植えてあったので、そこから少しとってまた植えることができました。

 みなさんも特に気に入っている山野草は、株分けしたり、挿し木をしたりして、リスク分散することをお勧めします。いざというときにがっかりせずにすみますよ。

7月のお手入れ


置き場所に、日陰をつくる

 日陰や半日陰が好きな草花はもちろん、日なたが好きな草花も夏の炎天下は苦手なものもあります。適度な日陰を作りましょう。スダレやヨシズ、寒冷紗やダイオネットなどの下に盆栽を置くようにします。寒冷紗やダイオネットはホームセンターで売っています。遮光率50%程度のものがよいでしょう。

水やりは1日2回

 1日2回、朝晩水やりをします。夜の水遣りの際には、葉にも(裏側にも)水をよくかけます。ハダニや葉焼けを防げます。

肥料は、夏の暑い時期はお休み

 7月の下旬から8月の上旬までは、肥料はお休みです。新たに施肥するのはやめます。逆に7月中旬までにしっかり置き肥をしておきましょう。肥料をお休みしている間に、葉が黄色になったりした場合は、薄い液体肥料を与えるとよいでしょう。

害虫対策は、早期発見が大切

 一旦施した予防剤のオルトランも段々効果がなくなります。アブラムシは見てすぐわかりますが、もうひとつのサインが葉の色です。葉が白っぽくなっていたら、グンバイムシやハダニがついている可能性が高いので、再び施します。早めの対処が重要です。
 
グンバイムシの被害にあったノギクの葉
グンバイムシの被害にあった葉


  被害にあったものは、殺虫スプレーを施し、葉を根元から切り取ります。

殺虫スプレーベニカグリーン
スプレーの例
オルトラン粒剤
オルトラン粒剤


 オルトラン粒剤は、100円ショップなどで売っている高さ13cm前後の調味料入れに移し替えると手軽に使えるので便利です。草花の株元に箸をさし小さな穴をあけ、そこに埋めるように少量の粒剤を入れます。上から苔をかぶせると美観がそこなわれません。


調味料入れにいれたオルトラン粒剤
調味料入れに入れたオルトラン粒剤



台風対策 背の高い鉢、大切な鉢は部屋へ

 背の高くなったものは風の影響を受けやすいので、部屋の中に取り込みます。鉢が落ちて割れることがあるので、鉢通しをくっつけて真ん中に置くようにします。大切な鉢は、部屋の中に取り込むのが安全でしょう。大切にしていた鉢を割った経験があるので、大型の台風の時には、私は極力部屋の中に取り込むようにしています。


下葉やススキなどの古葉とり

 ノギクなどは、根元近くに大きな葉がついているものは、その葉を付け根からとります。こうすると、株元の風通しがよくなり、地面の苔にも日があたるようになり、きれいな地面を作れます。
 また、ススキや黒軸カリヤスなど背の高くなるグラス類は、茎の下の古葉をとりながら、皮をはぎます。こうすることによって、足元が綺麗になるとともに、背が高くなっても、ぐらつかないようになります。

黒軸カリヤスの根元のアップ 作業前
作業前
黒軸カリヤスの根元に古葉がついています

黒軸カリヤスの根元のアップ作業後
作業後
足元がすっきりしました。日光があたり風通しがよくなるので
苔が綺麗な地面をつくれます




7~8月に活躍する草花



シュムシュノコギリソウの花のアップ



 シュムシュノコギリソウ
 千島、利尻、礼文などの寒冷地に生える小型のノコギリソウ。シュムシュは占守と書き、千島列島北東端の島の名前です。7月~8月に薄桃色の可憐な花を咲かせます。名前の通り、のこぎりのようなギザギザの葉が特徴。花がないときでも、葉を楽しめるので寄せ植えで活躍してくれます。この草花の入った山野草の盆栽は、以下でご覧いただけます。
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra98/



Q&A


Q.洋種ジュウニヒトエからたくさんのランナーが出てきました。切った方がよいですか?

A. 洋種ジュウニヒトエ、アジュガは繁殖力旺盛で、たくさんランナーを出し、その先に新しい小苗を作ります。最初のうちは、数本にして垂れ下がるランナーを楽しみますが、だらしなく伸びてしまったら、ランナーをその付け根で切ります。また、鉢の中でもう少し苗を増やしたい場合は、ランナーのまま、小苗を適切な位置において、アルミ線をU字に曲げたもので上から押さえておきます。しばらくすると、そこに根を生やすので、その段階でランナーを切ります。呼び挿しといって、ランナーで伸びるものの殖やし方の一つです。水分や養分をランナーでもらいながら、欲しい位置に根づかせることができる、成功確率が極めて高い方法です。


陶芸体験教室


 7月後半から9月前半まで、山野草の盆栽の教室はお休みになります。この間に、第3回目となる睦草の会員様向けの陶芸体験教室を実施いたします。ご興味ありましたら、お申し込みください。自作の鉢で作る山野草盆栽は、さらに愛着の沸くものになりますよ。
(第2回の陶芸体験教室の様子及びそれで作った作品をHP上にアップしたので、よろしければご覧ください。→こちら

大竹慎一郎先生の陶芸体験教室 

◆日時 土曜日 14:00~17:00 

 希望者の方の都合の良い土曜日で日程調整します。(どうしても日程が合わない場合は、ご容赦ください) 

◆講師 大竹慎一郎先生 

◆場所 大竹慎一郎先生の工房
京王線・JR横浜線・相模線 橋本駅 徒歩21分 バス+徒歩13分
(橋本駅に13:30集合) 

◆内容 山野草盆栽の鉢1個 陶盤1個を作ります 

※素焼き後、化粧土をかけますが、こちらは大竹先生に実施していただきます。 
※出来上がった鉢は、私がまとめて預かり、教室にいらした際に皆さまにお渡しいたします。


陶芸体験教室で作った山野草盆栽の鉢と陶盤 3点ずつ




◆費用 2,200円(税込) 

使用する粘土費用+焼成費

◆定員 4名+私 /回 

◆お申し込み 

ご希望の方は、メールにてお申し込みください。 

宛先 workshop@be-yourself.jp

記載内容 

・氏名
・7/24 7/31 8/14 8/21 8/28 9/4 9/11 (いずれも土曜日)のうち、参加が可能な日(複数日)を記載 

※参加可能な日の中で、組み合わせを調整するので、複数の日程の記載をお願いします。
※会員同士のお友達と一緒に参加したい場合は、代表の方がお友達の名前を記載してお申し込みください。 
※複数回の参加をご希望の方は、その旨ご記載ください。申込状況によっては、希望に沿えないこともあること、あらかじめご了承ください。

申込締切:7月11日(日)まで その後調整した日程を16日(金)までに個別にご連絡。

◆大竹慎一郎先生 について
私の陶芸の先生で、ご自身でも盆栽をお作りになります。

略歴

植木鉢や陶盤などを中心に作陶。
個展など多数開催している他、作品は「趣味の山野草」誌上の作例にも使用されている。
2001 朝日陶芸展 入選
2003 日本陶芸展 入選
2010 現代茶陶展 入選


ヒダカハナシノブの咲いている山野草盆栽
大竹先生の鉢を使った私の作品


教室の日程・予約について

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、引き続き、定員2名にして実施いたします。 

 定員が少ないのでご希望の日程が既に満席となるケースも多いと思われます。そのような場合は、今設定されていない日程でもよいので、皆さまのご都合の良い日程をご連絡ください。教室の都合が合えば、新規日程として追加いたします。
 また、メールでの教室のご予約は、こちらを参照ください。



今後の教室の予定

 7月までの予定を公開しています。8月は暑くて盆栽作りに適さないのでお休みです。9月の後半から秋の教室がスタートします。
 



お友達紹介プログラム

こちらを確認してください。