睦草だより 第16号 2021年1月

 
フキタンポポの山野草盆栽
フキタンポポ咲きました



今年もよろしくお願いいたします

 新しい年がやってきました。昨年は、新型コロナウイルスの影響で、今までとは違う一年となりました。 

 大変なことや残念だったことの多かった一年ですが、山野草盆栽と向き合う時間の多い一年になりました。
 山野草盆栽に出会ってから一番、観察をした一年だったかもしれません。それにより、今まで見過ごしていた素敵な景色がたくさんあることに気づかされました。 

 花びらの色の変化や、穂の色の変化、種の姿の面白さ、草紅葉の進行具合、枯れ葉や枯れ草の造形美などなど思わぬ発見をするたびに心が躍りました。 

 今年もまた、みなさまとともに嬉しい発見をたくさんできたらと思っています。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ノジギクのピンクになった花びら


1月のお手入れ

置き場所
 寒さが厳しくなる時期です。作った鉢や苔玉は、戸外で越冬できますが、寒風が直接当たらないようにベランダの内側や軒下に入れるなど工夫します。
 ユキワリソウやバイカオウレンなど半日陰が好きな草花も花の咲く前のこの時期はしっかり日にあてます。 
 雪が降った場合には、茎や枝が折れそうなものは、積もらないところに退避させましょう。

水やり
 凍結と水切れに注意です。引き続き、水やりは2日に1回が目安です。ただし、風の吹き具合、空気の乾燥の程度で鉢の乾きは変わります。鉢の表面をよく見て、鉢や苔玉を手で持って、重さで乾き具合を確かめましょう。なお、午後遅くや夜間にあげると鉢内の凍結につながるので、午前中に済ませます。特に苔玉や根洗いなど、皿から吸水させるものは、昼には皿に水がなくなるように水の量を調節しましょう。


肥料
 12月から2月までは、肥料はお休みです。

枯れ葉、枯れた茎

 一年草や宿根草、落葉樹は葉や茎が枯れてきますが、冬枯れの姿を楽しみます。ただし、地面に落ちた葉は、病気を防ぐためにこまめに取り除きましょう。茎に残った葉も、汚くなった葉は根元から切り取るなどして少し整理すると、風情のある冬の景色が作れます。汚いと感じるか趣があると感じるかは個人個人違います。自分の感性で素敵だなと思う姿にしてみてください。


ムラサキエノコロの穂が白くなった山野草盆栽
冬枯れのムラサキエノコロ


今年一年の計画

 お手入れが一番少ない時期です。いくつか鉢を持っている人は、この時期に、一つ一つ丁寧に観察し、今年のプランをたててみましょう。3年くらい経過したものは根が回ってきているので、根洗いにするか(鉢から抜いて、まわりに苔をつけてそのまま楽しむ)、鉢増しするか(一回り大きな鉢に植え替える)検討します。最初に植えた草花が消えてしまって寂しくなったものは、リメイクすることを考えます。残った草花と鉢にどんなものをプラスしたら素敵か、考えを巡らせるのも楽しいですよ。最初はよくわかないと思うので、ご相談いただければ一緒にプランを考えます。
 根や芽が動き出す2月、3月は、新たに作るのはもちろん、根洗いや植え替え、リメイクをするのに一番いい時期です。ぜひ、チャレンジしてみましょう。


飾る楽しみ

 1月下旬は、そろそろ節分や立春を意識して小物を合わせてみるのも楽しいですよ。鬼やお福さんの人形はもちろん、折り紙で折った三宝に豆を入れてもかわいいです。 

 ユキワリソウやバイカオウレンも咲き始める頃かもしれませんね。春一番に咲く花を多いに楽しみましょう。 

 もちろん花がなくても大丈夫。春の息吹を感じさせる新芽と一緒に飾るのもいいものです。



蕾のついたボケの苔玉と小さなお福人形



山野草盆栽の鉢


 鉢作家、遠藤正樹さんの鉢が初入荷しました。遠藤正樹さんは、電気ろくろを使って形の綺麗なシンプルな鉢を作られます。モダンなお部屋のインテリアにマッチするのではないかなと思います。 

 今回は、遠藤正樹さんが素焼きまで行い、大竹慎一郎さんが釉薬をかけたコラボ作品もあります。とても素敵な仕上がりです。教室にいらした時には、ぜひ、チェックしてみてくださいね。

遠藤正樹さんの山野草盆栽の鉢



1~2月に活躍する植物





ナンテン
 常緑の低木。「難を転じる」と言われ、縁起木、厄よけ、魔よけとしてお正月に良く飾られます。落葉樹が葉を落とす時期に、真っ赤な葉で彩りを添えてくれるのもありがたい存在。紅葉した姿も美しいですが、春から夏にかけての緑の葉もとてもきれいで、色が移り行く姿を含め一年中楽しめます。実生の苗木を寄せたものを苔玉にすると自然とよい樹形となるので、おすすめです。

 ナンテンの苔玉の季節毎の移り変わりは、こちらでご覧いただけます。 
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra70/

Q&A


Q 一年草の花が終わったらどうしたらよいですか? 

A 花がらは摘まずに種がつくまでそのままにしておきます。種ができたら、その種を少し高い位置から、パラパラと蒔いておいてもいいですよ。自然な感じの芽生えになります。


教室の日程・予約について

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、引き続き、定員2名にして実施いたします。 

 ご希望の日程が既に満席の場合は、ご都合の良い日程をご連絡ください。教室の都合が合えば、新規日程として追加いたします。
 また、メールでの教室のご予約は、こちらを参照ください。


今後の教室の予定

 3月の予定は、調整中です。決まりましたら、以下のサイトからお申し込みサイトへのリンクを貼るようにいたします。ご確認の上、お申し込みください。