睦草だより 第12号 2020年9月

山野草盆栽 ヤクシマハギ
ヤクシマハギが咲きました


秋の気配を感じます

 気温が高い日が続きますが、朝晩の水遣りの際に、秋の気配を感じるようになりました。長雨の後の猛暑で、今年の夏は植物にとってもきつかったと思いますが、やっと一息つける頃でしょうか。

 皆さまの盆栽や苔玉は無事、夏越しできましたか?ちゃんと夏を超えられた植物があったら、植物も自分もほめてあげてくださいね。盆栽は、植物と人間が一緒になって作っていく作品です。両方の力が必要です。万が一、全部枯れてしまっても、めげないでくださいね。最初のうちは、練習です。私も、最初のうちはたくさん(今でも時々)枯らしました。めげずに次々と育てる中で、だんだんコツをつかむことができました。経験だなぁとつくづく思います。

 いよいよ、秋の盆栽シーズンが始まります。一緒に秋に楽しめる作品を作りましょう。

9月のお手入れ

中旬頃から置き場所をかえる 

 夏の間、日陰に避難させていた盆栽を中旬頃から元の場所に戻します。しっかり日にあてて花芽を作るようにしましょう。
 盆栽や苔玉は、正面を南に向けておきます。そうすると花が正面を向いて咲くようになります。 

水やりは様子を見つつ1日1回へ 

 残暑厳しい時は、1日2回必要ですが、1日1回に戻していきます。「鉢の表面の土が白っぽく、乾いたら水をあげる」が原則です。鉢や植物をよく観察して、頻度を調節しましょう。 


肥料は8月中旬から再開 

 肥料、再開しましたか?8月中旬から再開です。もし忘れてしまっていた場合は、すぐに置き肥をして、薄い液肥もあげるといいでしょう。液肥は、置き肥に比べてすぐ効きます。
 秋の肥料は、来年の芽の充実につながります。しっかりたっぷりあげましょう。 


彼岸頃から植え替えOK 

 彼岸の頃から、鉢盆栽作りも再開できるようになります。この時期に作ると冬までにしっかり育つので、春の姿が自然になります。秋、早めに作るのがおすすめです。 


苔、傷んだら張り替え 

 夏の間、蒸れるので苔が痛みがちです。涼しくなるとまた緑になってくることもありますが、黒くなったままになったら、その部分の苔は死んでいるのでとりのぞきましょう。
 苔玉は、張り替えると綺麗になりますよ。苔の部分だけとりのぞき、(ミズゴケはそのまま)新しい苔を黒い木綿糸でぐるぐる巻きます。

 最近、睦草の教室で仕入れている苔玉の苔は、傷みが少ないようです。ハイゴケとお願いして仕入れましたが、どうやらシノブゴケのよう。 



 もしも、家の苔玉用に苔が必要な場合は、教室にいらした際に在庫があればご購入いただけます。早めにご連絡をいただければ、その分を仕入れておくようにします。苔玉レッスンと同様、一つ分550円(税込)です。 


台風対策、背の高い鉢と大切な鉢は中へ 

 大型の台風が来る時期となりました。背の高くなったものや苔玉、小さい鉢は風の影響を受けやすいので、早めに部屋の中に取り込みましょう。私は、大切な鉢が棚から落ちて割れてしまったことがあるので、できるだけ、部屋の中に取り込むことにしています。部屋の中では、蒸れないように涼しい場所におきましょう。冷房が直接当たらないように気を付けてくださいね。

飾る楽しみ

 ノギク、イトラッキョウ、ホソバタムラソウ、ミセバヤ、ミズヒキソウなど秋の花が楽しめる時期になりました。秋は、光のせいでしょうか、落ち着いてシックな色合いになります。陶盤や敷板、人形など、その色が映えるように工夫して飾ってみましょう。




 これは、石の鉢で作ったノギクの盆栽。タワシでできたリスの人形と一緒に、飾ってみました。敷板は、骨董市で見つけた切り株の輪切りです。秋は自然素材が合うような気がします。



陶芸体験教室の様子


 前々回の睦草だよりでご案内した陶芸体験教室、8月に5名の方にご参加いただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。その様子を少し紹介しますね。 

 今回作ったのは、鉢と陶盤です。最初は、粘土の捏ね方を教わります。

山野草鉢と陶盤の陶芸体験教室の様子


 次に、型を使って鉢の基本の形を作ります。この方法は、初心者でも簡単に薄い鉢が作れます。 

 乾かしている間に、残った粘土で陶盤を作ります。片面には、布やハンコを使って模様をつけます。こうするとリバーシブルで楽しめる陶盤になります。

山野草鉢と陶盤の作成風景

 陶盤ができあがったら、乾いて少し固くなった鉢を自分の好みの形にアレンジし、脚をつけて完成です。

山野草鉢と陶盤の成形完了



 お店では売っていない、個性あふれる作品ができました。 

 この後、大竹先生に素焼き、化粧土がけ、本焼きをしていただいて完成です。 完成した作品は、次号でご紹介しますね。


9月~10月に活躍する草花


ホソバタムラソウ
山地の日当たりの良い草原に自生しています。アザミに似た可愛らしい花を9月から10月にかけて咲かせます。草丈10cmほどの小型種、初秋の寄せ植えで活躍します。

この草花の入った山野草の盆栽は、こちらでご覧いただけます。

https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra18/



今後の教室の予定

 11月の教室の日程が決まりました。
 以下のお申し込みサイトでご確認ください。