睦草だより 第10号 2020年7月

山野草 カワラナデシコの花
カワラナデシコ咲きました


1日5秒の観察


 皆さま、毎日、盆栽を見ていますか?「1日5秒でいいから、それぞれの鉢をみてあげなさい。」 これは、私の盆栽の師匠の言葉です。忙しい毎日だと、この5秒も実はとても難しい。でも、これからの季節、水切れや、害虫、病気が起こりがちです。物が言えない草花たち。こちらが、気づいてあげるしかありません。早めに見つけて対処するために、1日5秒の観察、やってみてくださいね。


7月のお手入れ


置き場所に、日陰をつくる

 日陰や半日陰が好きな草花はもちろん、日なたが好きな草花も夏の炎天下は苦手なものもあります。適度な日陰を作りましょう。スダレやヨシズ、寒冷紗やダイオネットなどの下に盆栽を置くようにします。寒冷紗やダイオネットはホームセンターで売っています。遮光率50%程度のものがよいでしょう。

水やりは1日2回

 1日2回、朝晩水やりをします。夜の水遣りの際には、葉にも(裏側にも)水をよくかけます。ハダニや葉焼けを防げます。

肥料は、夏の暑い時期はお休み

 7月の下旬から8月の上旬までは、肥料はお休みです。新たに施肥するのはやめます。逆にこ中旬までにしっかり置き肥をしておきましょう。肥料をお休みしている間に、葉が黄色になったりした場合は、薄い液体肥料を与えるとよいでしょう。

害虫対策は、早期発見が大切

 一旦施した予防剤のオルトランも段々効果がなくなります。アブラムシは見てすぐわかりますが、もうひとつのサインが葉の色です。葉が白っぽくなっていたら、グンバイムシやハダニがついている可能性が高いので、再び施します。早めの対処が重要です。
 
グンバイムシの被害にあったノギクの葉
グンバイムシの被害にあった葉


  被害にあったものは、殺虫スプレーを施し、葉を根元から切り取ります。

殺虫スプレーの例
スプレーの例
オルトラン粒剤
オルトラン粒剤


 オルトラン粒剤は、100円ショップなどで売っている高さ13cm前後の調味料入れに移し替えると手軽に使えるので便利です。草花の株元に箸で小さな穴を掘り、そこに埋めるように粒剤を入れます。上から苔をかぶせると美観がそこなわれません。

調味料入れに入れたオルトラン粒剤
調味料入れに入れたオルトラン粒剤

台風対策 背の高い鉢、大切な鉢は部屋へ

 背の高くなったものは風の影響を受けやすいので、部屋の中に取り込みます。鉢が落ちて割れることがあるので、鉢通しをくっつけて真ん中に置くようにします。大切な鉢は、部屋の中に取り込むのが安全でしょう。大切にしていた鉢を割った経験があるので、大型の台風の時には、私は極力部屋の中に取り込むようにしています。


ススキなどの古葉とりの季節

 ススキや黒軸カリヤスなど背の高くなるグラス類は、茎の下の古葉をとりながら、皮をはぎます。こうすることによって、足元が綺麗になるとともに、背が高くなっても、ぐらつかないようになります。

黒軸カリヤスの古葉
作業前
黒軸カリヤスの根元に古葉がついています

黒軸カリヤスのお手入れ後
作業後
足元がすっきりしました。日光があたり風通しがよくなるので
苔が綺麗な地面がつくれます


7~8月に活躍する草花


山野草オトギリソウの花アップ


 オトギリソウ
 山野に生える草丈30㎝~60㎝の多年草。6月~8月に黄色い可憐な花を次々と咲かせます。赤みがかった葉や、秋に黒くなる種姿も楽しめ、寄せ植えに入れると重宝する草花です。またこぼれ種がよく芽生えるので、一つもっておくと、次々に増やすことができます。この草花の入った山野草の盆栽は、以下でご覧いただけます。
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra67/
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra93/


Q&A


Q.ダンゴムシは退治した方がよいですか?

A. ダンゴムシは、苔を食べてしまいます。庭にダンゴムシがいる場合は、鉢の中に入らないように鉢を高いところにおき、入ってきたダンゴムシは、駆除しましょう。


陶芸体験教室


 7月後半から9月前半まで、山野草の盆栽の教室はお休みになります。この間に、自作の鉢と陶盤を作ってみるのはいかがでしょうか?
 睦草の会員様向けの陶芸体験教室を企画しました。ご興味ありましたら、お申し込みください。

大竹慎一郎先生の陶芸体験教室

◆日時 土曜日 14:00~17:00
 希望者の方の都合の良い土曜日で日程調整します。(どうしても日程が合わない場合は、ご容赦ください)

◆場所 大竹慎一郎先生のアトリエ
京王線・JR横浜線・JR相模線 橋本駅 徒歩21分
(橋本駅に13:30集合)

◆内容 山野草盆栽の鉢1個 と陶盤1個を制作
※素焼き後、釉薬をかけますが、希望を伝えて大竹先生に実施していただきます。
※出来上がった鉢と陶盤は、私がまとめて預かり、教室にいらした際に皆さまにお渡しいたします。

山野草鉢と陶盤
できあがり作品例


◆費用 およそ1,500円程度
※使用する粘土費用+焼成費(大きさで決まります)

◆定員 2名+私 
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため教室の定員が3名までとなっています。

◆大竹慎一郎先生 について
私の陶芸の先生で、ご自身でも盆栽をお作りになります。

略歴

植木鉢や陶盤などを中心に作陶。
個展など多数開催している他、作品は「趣味の山野草」誌上の作例にも使用されている。
2001 朝日陶芸展 入選
2003 日本陶芸展 入選
2010 現代茶陶展 入選


大竹慎一郎さんの鉢に入れた山野草盆栽の作品
大竹先生の鉢を使った私の作品


◆お申し込み
ご希望の方は、メールにてお申し込みください。

宛先:workshop@be-yourself.jp

記載内容
・氏名
・7/25~ 9/12間の都合のよい土曜日
※会員同士お友達の方と一緒に参加希望の方はその方のお名前。

申込締切:7月15日(水)まで


9月の教室のお知らせ


 7月後半から9月前半までは、暑くて盆栽作りに適さないのでお休みになります。9月の後半から再開しますが、エアコンを使う季節で、常時窓を開放できないため、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から定員2名とさせていただきます。

 また、お手入れの説明や盆栽ミニ講座の際には、お茶とお菓子をサービスしておりましたが、こちらも、6月の開催時から差し控えております。茶菓代相当を実費精算時に差し引かせていただいておりましたが、9月の教室からは、申込時の参加費の値段を下げるようにいたします。
 
 ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

9/18(金)10:00-12:00苔玉
9/18(金)14:30-16:30苔玉
9/19(土)10:00-12:00苔玉
9/19(土)14:30-16:30苔玉
9/20(日)10:00-12:00苔玉
9/20(日)14:30-16:30苔玉
9/25(金)10:00-13:00鉢盆栽
9/25(金)14:30-17:30鉢盆栽
9/26(土)10:00-13:00鉢盆栽
9/26(土)14:30-17:30鉢盆栽
9/27(日)10:00-13:00鉢盆栽
9/27(日)14:30-17:30鉢盆栽
※HPの右側に教室カレンダーをつけました。ご確認ください。


教室予約サイト

睦草9月予約サイト


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