睦草だより 第7号 2020年4月

ジュウガツザクラ咲きました


家にいながらお花見


新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出を自粛する日々かと思います。我が家も、毎年、多摩川や野川にお花見に行っておりましたが、今年はとりやめ。代わりに家で花や新芽を眺めています。だんだん膨らんでいくつぼみ、今を盛りと咲き誇っている花、初々しい生まれたての新芽は、見ているだけでエネルギーをもらえます。ぜひ、お茶やごはん、お酒のお供に、盆栽を飾ってみてください。
 ある生徒さんから、心配な日々を送る昨今、「植物が育つのを見て、元気をもらってます。盆栽をやってよかったです。」という嬉しい言葉をいただきました。みなさまも植物の力を借りて、元気にこの試練を乗り越えましょう。

山野草盆栽(キジムシロ ノコンギク)
キジムシロ満開


4月のお手入れ

置き場所
 草花たちが著しく生長する時期です。半日陰を好む植物もしっかり日光にあてて、徒長しないようにします。

水やり
 水やりは1日に1回が目安となりますが、春の嵐もある頃です。風が強いときは、こまめにチェックして鉢の表面が白く乾いていたら、たっぷり水をあげましょう。

害虫対策

そろそろ害虫が出てくる時期です。一番の害虫対策は、草を丈夫に育てること。アブラムシなどは弱い草につきやすく、丈夫な草は少々の病気はすぐに回復します。

 発生してしまったら、すぐに殺虫剤で退治します。この時期に注意したいのは、アブラムシ。見つけたら、すぐにアブラムシに効くスプレーをかけ、オルトランなどの顆粒状の薬剤を根元に施します。私は株元に小指の先ほどの穴をあけ、その中に顆粒状の薬剤を入れ、また土を戻しておきます。水やりで溶けた薬剤が植物に吸い上げられ、葉を食べた害虫を退治することができます。





このスプレーや顆粒状の薬剤は、青虫などにも効くのでそろえておくとよいでしょう。ホームセンターの園芸コーナーで扱っていると思います。

 ナメクジは一年中出てきます。夜行性なので夜、懐中電灯でかざすと見つけられます。私はナメクジに遭遇することを避けたいので、忌避剤を鉢に蒔くようにしています。

早めに処理をするためにも、毎日の観察を欠かさないようにしてくださいね。


肥料
 肥料は開始しましたか?限られた鉢という空間の中では、肥料はとても大切です。ついつい忘れがちな肥料ですが、しっかりあげることが、丈夫にし、花つきや実つきをよくする秘訣です。

新芽の調整
 冬の間、地上部がすっかりなくなっていた宿根草(シュッコンソウ)や一年草の新芽が出てくる時期です。数が多すぎたり、位置が悪いところに生えたりしたものは、抜いてバランスを整えます。抜いたものは、空いたスペースに植えたり、小さな別の鉢に植えたりすると楽しめます。新芽が小さいうちに行うと、抜きやすく、植えた後の根付きもよいようです。

オトメギボウシの新芽
秋早くに消えてしまいますが、春には力強い芽が出てきます


山野草盆栽 ツクシカラマツの新芽
ツクシカラマツの新芽
最初は少し茶色がかっていますが、だんだんきれいな緑色になります

山野草盆栽 ヒメタデの新芽
ヒメタデの新芽
赤みがかった双葉が目印です

山野草盆栽 ナチアワモリショウマの新芽
ナチアワモリショウマの新芽
鮮やかな緑色。新芽の時からギザギザです



鉢のリフレッシュ例


 山野草の盆栽を育てる中で、寄せ植えをした草花の一つが弱くなってしまったり消えてしまったりすることが時々あります。今回は、春の主役のヒナソウが弱くなってしまいました。
山野草盆栽 リフレッシュ前

 残った小さな芽を大切に育てることもできますが、今年の開花は、寂しくなってしまうでしょう。今回、春の花の鉢が必要だったので、思い切ってリフレッシュすることにしました。

山野草盆栽 リフレッシュ後

ヒナソウの部分だけ土ごとすっかりとり、新しい苗を新しい土で植え込みます。こうすることによって、残した草花の持ち込みはそのままに、春を楽しめる鉢にリフレッシュできます。


飾る楽しみ

新芽が美しい季節です。ぜひ、それを主役に飾りましょう。
 樹木の苔玉は、白いお皿にのせると、新緑が引き立ちます。石のお皿にのせると、山の中の雰囲気になります。まっ平らなお皿にのせるとモダンな感じになります。苔玉はいろいろなお皿と組み合わせることができるのが、楽しいところ。鉢合せの勉強にもなります。ぜひ、いろいろ試して、その瞬間の植物の魅力を引き出す演出をしてみましょう!

苔玉(カナシデ) 白いお皿の上
白いお皿
苔玉(カナシデ) 自然石のお皿
自然石のお皿
苔玉(カナシデ) まっ平らなお皿
まっ平らなお皿


4~5月に活躍する草花



ヘビイチゴ
 雑草ともいわれる繁殖力旺盛のヘビイチゴ。盆栽にすると、とても可愛らしい姿になります。鮮やかな黄緑の三つ葉をつけたツルを奔放に伸ばし、4月~5月にかけて黄色い花を咲かせます。そのあとの真ん丸の赤い実も可愛らしく、秋に赤くなる草紅葉(クサモミジ)も魅力。1年を通して楽しめます。この草花の入った山野草の盆栽はhttps://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra20/でご覧いただけます。

Q&A

Q.花が咲いた後、花がらを取った方がいいですか?

A.花が咲いた後、そのままにしておくと、種ができます。種を取りたい場合は、そのままにしておきます。ただ、植物にとって、種を作るのはとてもエネルギーのいる作業。種をとるものを限定して、苗の負担を減らしてあげるといいでしょう。ヒナソウなど長期間と花を咲かせるものも、花がらをとってあげた方が次々と花を楽しめます。ただし、一年草は要注意。こぼれ種で次の年に芽生えるので花がらはそのままにしておきましょう。また、ノギクやタンポポなど綿毛を楽しむもの、オトギリソウなど茶色の種姿を楽しむものも、そのままにしておきます。花がらを取るときは、花のついていた茎の付け根でカットします。

 

6月の教室のお知らせ

6/5 (金)10:00-12:00苔玉
6/5 (金)14:30-17:30鉢盆栽
6/6(土)10:00-13:00鉢盆栽
6/6(土)14:30-16:30苔玉
6/26(金)10:00-13:00鉢盆栽
6/26(金)14:30-16:30苔玉
6/27(土)10:00-13:00鉢盆栽
6/27(土)14:30-17:30鉢盆栽
6/28(日)10:00-12:00苔玉
6/28(日)14:30-17:30鉢盆栽

※HPの右側に教室カレンダーをつけました。ご確認ください。

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