睦草だより 第11号 2020年8月

 

白いツユクサが咲きました


梅雨があけました

 今年の梅雨は長かったですね。7月の日照時間は平年の41%。強い雨があったり、風が強かったり、いつも以上に過酷な環境でした。皆さまの山野草の盆栽や、苔玉はお元気ですか?
 万が一、枯れてしまったり、元気がなくなったりしたものがあっても、どうぞご自身を責めないでくださいね。(よくあることです。)かくゆう私も、風の強い日に水が足りていない鉢があり、枯らしてしまいました。
 山野草盆栽は、そのような鉢に手を加えて、新しい景色を作っていくものです。枯れた苗を新しい苗に変えたり、空いた空間に挿し木をしたり、種を蒔いたり。どんな風に手を入れるのか、その方法を知っていただくのも、この教室でお伝えしたいことの一つです。ぜひ、ご相談ください。一緒に、リメイクのプランを考えましょう。


8月のお手入れ

 今度こそ、本格的な、夏到来。梅雨明け後、猛暑が続きます。人間もそうですが、変化激しいと調子を崩しがちです。夏越しの対策をしっかりして、いつも以上に丁寧に観察してください。

置き場所に、日陰をつくる
 盆栽を育てるのにその置き場所は非常に重要です。特にこの時期は、日陰や半日陰が好きな植物はもちろん、ひなたが好きな植物も真昼の炎天下はきついものです。午後からは日陰になるような場所におくか、日陰をうまく作りましょう。日陰は、スダレやヨシズ、寒冷紗やダイオネットなどで作れます。寒冷紗やダイオネットはホームセンターで売っています。遮光率50%程度のものがよいでしょう。

水やりは1日2回
 引き続き、1日2回、朝晩水やりをします。夏は、葉がよく茂っているので、根元めがけて水やりをしないと、十分に水やりできていない可能性があるので気をつけましょう。夜の水遣りの際には、葉にも(裏側にも)水をよくかけます。ハダニや葉焼けを防げます。

肥料の再開は、8月の中旬から
 7月下旬から8月上旬まで、肥料はお休みです。新たに施肥するのは、8月中旬からです。肥料をお休みしている間に、葉が黄色になったりした場合は、薄い液体肥料を与えるとよいでしょう。

茶色い葉や下葉をとって風通しよく
 風通しをよくするために、茶色くなった葉や下葉をとります。コバノタツナミソウは、下の葉二つを残して切り戻し(伸びている茎を低い位置で切ること)をするとすっきりします。

赤い葉は置き場所と肥料不足が原因  
 モミジやハゼの苔玉の葉が赤くなっていませんか?



 8月は紅葉にはまだ早い季節。日当たりが強すぎたり、肥料が少なすぎたりするのが原因です。置き場所を変え、薄い液肥(ハイポネックス等)を入れた水にドブ漬けしてみましょう。写真の苔玉は我が家のハゼノキです。さっそく液肥をあげ、置き場所を変えました。


お手入れの実例

 この時期のお手入れのポイントは、茶色の葉や下葉をとってすっきりさせることです。風通しがよくなるのは、植物にとってよいのはもちろん、見た目も涼しくなります。花が咲いていなくても、グリーンインテリアとして飾れます。 

 また、空間を作ることは、山野草盆栽の大切なポイントです。前面に苔の広がる空間を作る、草花の根元部分に向こう側が透けてみえるような隙間を作る、密になりすぎた葉を間引いて光が通るような空間をつくる。夏は、できるだけ空間を作るようにすると、涼やかな景色になりますよ。

お手入れ前
ノギク、ヤクシマイトラッキョウ、ヘビイチゴ、イヌタデの寄せ植え

お手入れ手順
・茶色の葉と下葉をとり、全体の生え方をチェックします。 
・どこに空間をつくるか考え、正面を決めます。 
・空間をあける部分のノギクやイヌタデをひき抜くか根元から切り取ります。 
(ノギクなど、地下茎で増える植物はいろいろなところから芽を出します。思い切って減らすのがコツです) 
・ノギクの葉の密になった部分は互い違いに間引くようにします。

お手入れ後
スッキリしました

 ノギクを減らし、下葉をとることで、地面に光があたるようになり、風通しもよくなります。こうすると、苔が光合成しやすくなり、綺麗な緑になります。地面も大切な見どころです。
 緑を楽しむためのお手入れ、皆さまもぜひチャレンジしてみてください。


リメイクの実例

 ヤブコウジを入れた盆栽、実がつかなかったり、落ちてしまったりした方はいませんか?実は、去年の私の鉢がそうでした。花は咲き、小さな実がついたのですが、その後気づいたら、ポトリと落ちていました。肥料が効いていなかったか、知らないうちに水切れさせてしまったかが原因です。
 ヤブコウジの実がないと、これからの季節の楽しみが半減です。でも、ヤブコウジは実のついたものを挿し木することができますよ。成功率100%とはいきませんが、やってみる価値はあります。ぜひ、教室に来る際に、お作りになった鉢をお持ちください。アトリエの庭の実つきのヤブコウジを挿し木してみましょう。

左と右の実は挿し木です


8月から9月に活躍する草花

ヤクシマノギク

 ノギクはいろいろな種類がありますが、これは、ヤクシマに自生する花も葉も小ぶりのノギクです。(ヤクシマと名のつくものは、小さいものが多く、山野草の盆栽にはうってうけです)7月から秋まで、次々と花を咲かせます。花の少なくなる夏に咲いてくれるのも嬉しいポイント。丈夫なので初心者にもおすすめです。この草花の入った山野草の盆栽は、
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra7/ 
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra93/
でご覧いただけます。

今後の教室の予定

 新型コロナウイルスの感染者がまた増加しています。引き続き、10月も定員2名とし、状況に応じて適宜変更させていただきます。 また、少しでも体調が悪い場合は、参加を見合わせて日程変更していただくようにお願いしております。よって、しばらくの期間は、参加費を申込時ではなく、教室にいらした際にいただくように変更したいと思います。Peatixでは、無料のチケットをお申込みいただく形になります。既にお申込みいただいている方は、苗代・鉢代等のみ、当日、お支払いください。何卒、よろしくお願い申し上げます。