睦草だより 第30号 2022年3月

 
コシノコバイモ咲きました




スプリングエファメラル

 春先に花を咲かせ、夏まで葉をつけ、その後、地上部が枯れて地下で過ごす草花、スプリングエファメラル。今年は、去年植えておいた、セツブンソウやコシノコバイモが咲いてくれました。これらの芽出しはとてもかわいくて、春のお楽しみです。姿を見せ始めると一気に大きくなり、あっという間に花を咲かせます。束の間の姿を存分に楽しみます。

 その後、これらが植えてあったところは、夏から早春まで、何もなくなります。それを利用して春と秋冬、まったく違った景色になるように、設計するのも面白いですよ。
 
 可憐な花が多いので、春の妖精とも言われます。これらが咲くといよいよ春本番。生まれたての緑と優しい色合いの花を楽しみましょう。


3月のお手入れ

置き場所
 新芽が出る頃は、一番日光が大切な時期です。どの鉢もよく日のあたる場所に置きましょう。部屋に飾るときは、1日か2日にして、できるだけ長く外に出すようにします。


水やり
 水やりは1日に1回が目安となりますが、春一番が吹く頃です。風が強いときは、こまめにチェックしましょう。
 

肥料
 肥料開始のタイミングです。新しい肥料をケースに入れて鉢の縁にさしましょう。

 置き肥は効果が出るまでに少し時間がかかります。秋の肥料が十分でなかった場合などは、薄めた液肥をあげてもよいでしょう。
 
 小さな鉢の中の土だけで生活する草花にとって、肥料はとても大切です。たっぷりあげると病害虫に強くなり、花や実もたくさんつくようになります。


植え替え
 植え替えや根洗いにするのによい時期です。3年ほどたった鉢は、根がまわって弱ってきてしまう頃なので、一回り大きな鉢に植え替えするか、鉢からぬいて根洗いにします。


穂の出る草のカット

 ナキリスゲやノガリヤスなど、穂の出る草は、前の年の周りに新しい小苗ができます。それをそのままにしておくと、他の草花が負けてしまうので、減らします。ハサミを土の中に斜めに入れて、根の部分からとるようにするといいでしょう。大きくない鉢の場合は、大中小3つの芽を残すくらいがちょうど良いと思います。切り取ったものは、根がついていれば、ポット苗に移植しておくと、素材として使えます。地上の葉があまりないこの時期は、根づきやすいのでおすすめです。

 ヒメアブラススキは、強い芽が出てきたら、地際で切ると、その横から少し弱い芽が出てきます。強い芽はかなり背が高くなるので、6月~7月くらいまでは強い芽をカットします。


苔玉の苔
 乾燥した寒風にあたって、苔玉の苔が茶色になってしまった方もいるかもしれません。これはよくあることです。茶色のうちは、まだ大丈夫。しばらく様子を見ているとまた復活してきます。黒くなってしまった場合は、水のやりすぎかもしれません。水の量を調整しましょう。しばらく様子を見て復活しない場合や早く緑の苔玉にしたい場合は、苔の張替をします。

 ちなみに、苔玉用の苔が必要な方は、早めにご連絡いただければ、教室にいらした際にお分けいたします。苔玉レッスンの時と同様、550円(税込)です。ご自身で苗を買って苔玉を作りたい場合などにもご活用ください。


あなたはだぁれ?

 植えていないのに、鉢から新たに芽が出てくることはよくあります。どこかから飛んできたり、苔に種がついていたものが芽生えたり。この新芽、何かよくわからないと抜いた方がよいのか、そのまま育てたらよいのか迷います。こちらでは、新芽の写真をあげて、どんな草花なのかご紹介いたします。



これは、アカバナの新芽。葉が対生(茎の同じところから両側に葉が対になって出るもの)で、光沢のある赤い葉が特徴です。小さなピンクの花の後の種姿が面白い形で、秋のいい景色を作ってくれます。






 苔に種がついていることも多いので、皆さまの鉢に芽生えるかもしれません。見つけたら、ぜひ、育ててみてください。小さい芽のうちなら、いい位置に植え替えるのも簡単です。
この草花の入った山野草の盆栽は、
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra19/
でご覧いただけます。

あなたはだぁれ? のアーカイブはこちら


3~4月に活躍する草花





 ョウジョウバカマ(猩々袴)

山間の小川周辺や湿り気の多い林などの湿潤な土壌環境の場所に自生します。高さ10cm程度。3月~4月に花を咲かせます。少し大きめの花は存在感があり、秋に紅葉する葉も綺麗です。名前の由来は、中国の想像上の生き物「猩猩(ショウジョウ)」(サルに似ていて、酒を飲み、赤面赤毛をしている)の色に花色が似ていて、下に広がった葉が袴のようだからとか。

 この草花の移り変わる姿は、https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra28/でご覧いただけます。


春の野草観察ツアー

 前々号でご案内した、春の野草観察ツアー、駒木野庭園の陽春ぼんさい展に合わせて実施の予定でしたが、東京都のまん延防止等重点措置が延長となったため、陽春ぼんさい展は中止となりました。春の野草観察ツアー単独で実施の方向です。ご希望の締切は、3/9(水)です。workshop@be-yourself.jp宛にご連絡ください。


展示会・イベント情報

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、引き続き、定員3名にして実施いたします。 
 
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