睦草だより 第34号 2022年7月

ホソバギク咲きました



グラス類の楽しさ


 山野草の盆栽では、グラス類(華やかな花ではなく、細長い葉や穂を楽しむもの)を加えると、より自然風の景色になります。ただ、そのグラス類は、お店で売っているものが少なく、私が始めたころは、手に入れるのにとても苦労しました。特にほしかったのが、ノガリヤス。本で見る作品に素敵な穂のノガリヤスが入っているのですが、どこにも売っていません。初めて、展示会の売店で、作品の中にノガリヤスが入っていたのを見つけたとき、とても嬉しくて、ノガリヤス欲しさにその作品を買ったのでした。

ノガリヤス



 先輩から、ヒメアブラススキの種をいただいたときも、芽が出るまで大事に大事に水やりしたものです。

 その後、ナキリスゲ、クサイ、黒軸カリヤス、スズメノヤリ、ヤマスズメノヒエ、ソビ、ヒメカンスゲ、コメガヤ、ヒメクグ、、、、

素敵なグラス類をいろいろ教えていただき、少しずつ増やしてきました。

それぞれの特性を知って、うまく使えるようになると、山野草盆栽の面白さは倍増します。 皆さまの中にも、グラス類が好きな方、多いようです。「葉を楽しむ草を入れた山野草の盆栽」を受講された後、合わせる山野草に応じて、少しずつ、ご紹介させていただきますね。

7月のお手入れ


置き場所に、日陰をつくる

 日陰や半日陰が好きな草花はもちろん、日なたが好きな草花も夏の炎天下は苦手なものもあります。適度な日陰を作りましょう。スダレやヨシズ、寒冷紗やダイオネットなどの下に盆栽を置くようにします。寒冷紗やダイオネットはホームセンターで売っています。遮光率50%程度のものがよいでしょう。

水やりは1日2回

 1日2回、朝晩水やりをします。夜の水遣りの際には、葉にも(裏側にも)水をよくかけます。ハダニや葉焼けを防げます。

肥料は、お休み前にしっかりと

 7月の下旬から8月の上旬までは、肥料はお休みです。新たに肥料を施すのはやめます。逆にこの時期の前までにしっかり置き肥しておきましょう。今までの肥料が足りなかった場合や、肥料をお休みしている間に、葉が黄色になったりした場合は、薄い液体肥料を与えるとよいでしょう。液体肥料の方が、即効性があります。

害虫対策は、早期発見が大切

 一旦施した予防剤のオルトランも段々効果がなくなります。アブラムシは見てすぐわかりますが、もうひとつのサインが葉の色です。葉が白っぽくなっていたら、グンバイムシやハダニがついている可能性が高いので、再び施します。早めの対処が重要です。
 
グンバイムシの被害にあった葉


  被害にあったものは、殺虫スプレーを施し、葉を根元から切り取ります。

スプレーの例
オルトラン粒剤


 オルトラン粒剤は、100円ショップなどで売っている高さ13cm前後の調味料入れに移し替えると手軽に使えるので便利です。草花の株元に箸をさし小さな穴をあけ、そこに埋めるように少量の粒剤を入れます。上から苔をかぶせると美観がそこなわれません。


調味料入れに入れたオルトラン粒剤



台風対策 背の高い鉢、大切な鉢は部屋へ

 背の高くなったものや葉の大きいものは風の影響を受けやすいので、部屋の中に取り込みます。鉢が落ちて割れることがあるので、鉢通しをくっつけて真ん中に置くようにします。大切な鉢は、部屋の中に取り込むのが安全でしょう。

 大切にしていた鉢を割った経験があるので、大型の台風の時には、私は極力部屋の中に取り込むようにしています。


下葉やススキなどの古葉とり

 ノギクなどは、根元近くに大きな葉がついているものは、その葉を付け根からとります。こうすると、株元の風通しがよくなり、地面の苔にも日があたるようになり、きれいな地面を作れます。
 また、ススキや黒軸カリヤスなど背の高くなるグラス類は、茎の下の古葉をとりながら、皮をはぎます。こうすることによって、足元が綺麗になるとともに、背が高くなっても、ぐらつかないようになります。

作業前
黒軸カリヤスの根元に古葉がついています

作業後
足元がすっきりしました。日光があたり風通しがよくなるので
苔が綺麗な地面をつくれます




7~8月に活躍する草花








 フシグロセンノウ

 日本各地の林下に自生する多年草。茎の葉の付け根部分が黒いのでこの名がついています。明るい朱色の花は、とてもきれいで、茂った葉の間で咲く姿は、夏らしい景色を作ります。涼やかに感じます。花の少ない7月から8月にポツポツと咲いてくれるありがたい花です。

この草花の入った山野草の盆栽は、以下でご覧いただけます。
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra63/



Q&A


Q.日照りと暴風で、葉がカサカサになってしまいました。どうじたらよいでしょう?

A. まずは、鉢を洗面器に入れ、鉢の縁の高さまで水を入れて、半日くらい様子を見てください。夜に気づいた場合は、朝までつけても大丈夫です。
 植物は水枯れした場合、A 葉だけダメージを受けている場合と、B 茎までダメージを受けている場合があります。Aの場合は、傷んだ葉が葉先だけ枯れて復活する場合と、もともとの葉は枯れて葉の付け根から新しい葉が出る場合があります。Bの場合は、根元から新しい芽を出します。
 それぞれがどういう状態なのかを見極めて、枯れた葉の部分だけカットするのか、茎を付け根からカットするのか判断します。


第5回陶芸体験教室


 7月後半から9月の前半にかけて睦草の会員様向けの陶芸体験教室を実施します。ご興味ありましたら、お申し込みください。自作の鉢で作る山野草盆栽は、さらに愛着の沸くものになりますよ。
(第4回の陶芸体験教室の様子は、睦草だより第33号をご覧ください。→こちら

大竹慎一郎先生の陶芸体験教室 

◆日時 
7/16(土)7/30(土) 8/6(土)8/20(土)8/27(土)9/3(土)
AM 10:00~13:00 PM 14:00~17:00 

 希望者の方の都合の良い日で日程調整します。(どうしても日程が合わない場合は、ご容赦ください。今回は、希望者が集まればAMの日も作ってみたいと思います。)


◆講師 大竹慎一郎先生
私の陶芸の先生で、ご自身でも盆栽をお作りになります。

◆場所 大竹慎一郎先生の工房
京王線・JR横浜線・相模線 橋本駅 徒歩21分 バス+徒歩 計13分
(橋本駅 9:30 or 13:30集合)

◆内容 山野草盆栽の鉢1個 陶盤1個を作ります 

※素焼き後、化粧土をかけますが、こちらは大竹先生に実施していただきます。 
※粘土を追加して、作る数を増やすことも可能です。(別途費用)
※出来上がった鉢は、教室に参加いただいた際に皆さまにお渡しいたします。


◆費用 2,640円(税込) 

◆定員 4名+私 /回 

◆お申し込み 

ご希望の方は、メールにてお申し込みください。 

宛先 workshop@be-yourself.jp



記載内容
・氏名
・日付 AM or PM
・参加希望回数

記載例
 睦草 花子
 7/16 AM  7/16 PM  8/20 PM  9/3 AM 
 2回参加希望

※参加可能な回の中で、組み合わせを調整するので、複数の日程の記載をお願いします。
※会員同士のお友達と一緒に参加したい場合は、代表の方がお友達の名前を記載してお申し込みください。
※複数回のご希望の場合、申込状況によっては、希望に添えないこともあること、予めご了承ください。

申込締切:7月12日(火)まで その後、調整した日程を14日(木)までに個別にご連絡。



大竹先生の鉢を使った私の作品

樹木と山野草の寄せ植え盆栽

 樹木と山野草の寄せ植え盆栽の勉強会を秋にも実施したいと思います。(希望者の予定を合わせて日程設定)
 植え込みに慣れている方がよいので、Step2 もしくは、鉢盆栽を3回以上受講した方が対象です。
 春に受講された方も、秋の植え替えに適した苗を準備いたしますので、よろしければご参加ください。
(春の様子は睦草だより第31号をご覧ください→こちら

◆内容 樹木1種と山野草2種の寄せ植え

◆費用 参加費4,180円+実費(苗代 鉢代)
 樹木苗の実費は多少高くなります。

◆苗木の教材は、樹形のよいものを優先に準備したものからお選びいただきます。

◆お申し込み
宛先 workshop@be-yourself.jp

参加希望の旨、メールください。
※希望者に対して、別途日程調整のメールをいたします。

申込締切:7月12日(火)まで  



教室の日程・予約について

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、引き続き、定員3名にして実施いたします。
ご希望の日程が既に満席、もしくは、設定された日と自分の都合が合わないケースもあるかと思われます。そのような場合は、今設定されていない日程でもよいので、皆さまのご都合の良い日程をご連絡ください。教室の都合が合えば、新規日程として追加いたします。
 また、メールでの教室のご予約は、こちらを参照ください。


今後の教室の予定

 8月の予定は、調整中です。(8月は暑いため、鉢盆栽はお休みです。苔玉のみ教室を実施します)決まりましたら、以下のサイトからお申し込みサイトへのリンクを貼るようにいたします。ご確認の上、お申し込みください。
 


睦草Web展示会

こちらを確認してください。


お友達紹介プログラム

こちらを確認してください。


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