睦草だより 第33号 2022年6月



アトリエ庭のムラサキツユクサ
ムラサキツユクサ咲きました

 


大胆に剪定


 2年目のお手入れに来られるようになった生徒さんが、おっしゃいました。「大胆に剪定できるようになりました。」

 剪定が必要、大切と言われても、やはり切ることを躊躇していた1年目。ただ、この1年を通して、「切っても大丈夫」「切らないと茂りすぎてすごいことになる」という経験を積み、大胆に切れるようになったとのこと。何事も経験ですね。

 Step1で選ぶ素材は、丈夫なことが最優先。そしてそれは、どんどん増えるものでもあるのです。少し茂ってきたら、剪定したり抜いたりする練習をぜひやってみてください。量を調整することによって、風通しよく涼やかな景色を作ることができます。 心配だったら、剪定した茎を、挿し木(挿し芽)にしてリスクヘッジするといいですよ。


6月のお手入れ


置き場所   実のなるものは雨にあたらないように

 関東は梅雨入りしましたが、梅雨の晴れ間はかなり陽射しが強くなります。日陰や半日陰が好きな植物の鉢や苔玉は、すだれなどでうまく影を作るようにしましょう。ひなたが好きな植物も様子を見て、夕方に萎れるようなら半日陰に移しましょう。また、長雨の時期は、苔玉の皿にずっと水がたまらないように置き場所を工夫します。ゴールテリアや ヤブコウジ、コクリュウなど、実のなる植物の花の咲く時期です。雨にあたると実がつきにくくなるので、直接あたらないところに置きます。

水やり  朝晩の水やりに変更

 雨の降らない日は、かなり気温が高くなります。1日2回、朝晩の水やりに変更です。雨降りの日は、鉢が雨に当たる場所であれば、水やりの必要はありませんが、当たらない場所に置いている場合は、水をあげるようにします。ヤブコウジなど実がつくものは、花に水がかからないように注意してあげましょう。


風通し  こまめにそうじ、切り戻しを

 梅雨の時期は、蒸れるので、茶色の葉をこまめにとり、風通しをよくします。
 ノコンギクやノギクなどの背をあまり高くしたくない場合は、根元に近い葉のすぐ上をカットします。しばらくすると、その残した葉と茎の間から、芽が出てきます。こうすることで、高さを低く抑えることができます。(これを切り戻しと言います。)
 コバノタツナミも、種を付けたものを切り戻しをすると、風通しもよくなりますし、秋に咲くことがよくあります。(こぼれ種で増やしたい場合は、その分だけ残してくださいね。)
 切りとった茎は挿し木(挿し芽)にして、新たな苗にすることができます。梅雨は、挿し木をするのにちょうどいい温度と湿度となるのでチャレンジするのに最適です。


Step2のメニュー


 今回、Step2で「年間通じて楽しめる山野草の盆栽」をなさった方がいるので、どんな感じなのか、皆さまにご紹介しますね。

 少し大き目の鉢に、5種類の草花を寄せました。Step2になると、植え込みにも慣れてくるので、5種類でも時間内に植えられるようになります。早春の花、春の花、夏の花、秋の花、それを引き立てるグラス類(葉や穂が楽しめるもの)をそれぞれ選んでいただきました。花、種姿、草紅葉など季節ごとに何度も楽しめるものが活躍します。そして、見た目が汚くなる時期がないものを組み合わせるのも大事なポイントです。

 今回は、イシガキヤクシマスミレ、チシマタンポポ、タンナワレモコウ、アシズリノジギク、矮性ノガリヤスをお選びいただきました。

5種類植えた山野草盆栽とカエルとオタマジャクシの人形



 季節ごとに景色が変わる一鉢ができました。ぜひ、みなさまもチャレンジしてみてください。


6~7月に活躍する草花

ヒトツバショウマの花のアップ


ヒトツバショウマ

山地の渓谷沿いの岩上に生える多年草です。6~7月に白~薄ピンクの小花を穂状に咲かせます。少し大き目の縁がのこぎり状の葉は、光沢があり、紫色に色づくものもあります。
この草花の入った山野草盆栽は、https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra57/
でご覧いただけます。



Q&A

Q.山野草盆栽や苔玉の周りにコバエが飛ぶようになってしまいました。どうしたらよいですか?
 
A.オルトランやベニカグリーンは、葉を食べたりするものには有効ですが、飛んでいるものには、効かないですものね。先日、先輩から、もう一つ有効な殺虫剤として、キンチョールを教えていただきました。通常の園芸用の殺虫剤よりも樹木を痛めないので、庭木にも使っているとのこと。私も早速購入して、使っています。これなら、飛んでいるコバエにも有効です。使うときは、30㎝くらい離してスプレーしてくださいね。

キンチョールの商品写真


陶芸体験教室の様子と作品

 7月下旬から9月上旬まで、12月下旬から2月上旬までは、鉢盆栽を作るのには適さないため、陶芸体験教室を企画しています。(8月、1月は苔玉づくりのみの教室になります)

 今回は、冬の第4回陶芸体験教室の様子と皆さまの作品を紹介します。のべ13名の方にご参加いただきました。初めての方は、陶盤と盆栽用の鉢を、2回目以降の方は、それぞれお好みの形のものを自由に作りました。

 この陶芸体験教室では、ご自身で盆栽もされる大竹先生が、簡単な方法でかっこいい鉢を作る方法を教えてくださいます。

綿棒で粘土を伸ばしているところ

 鉢を作るのも陶盤を作るときも、まずは、粘土を薄く延ばします。

 陶盤は、伸ばした粘土を好みの形にして、布や板、ハンコで片面に模様をつけます。


盆栽鉢の足をとりつけているところ

 鉢は、伸ばした粘土を型に入れて基本的な形を作り、縁をアレンジしたり、好みの足を付けたりします。


成型の終わった粘土の作品(素焼き前)

 余った粘土で小さい鉢を作ったり、箸置きを作ったり。

 この後、素焼きと釉がけ、本焼きは大竹先生にお願いして出来上がり。
今回は、2回目以降の方も多く、多岐にわたる作品ができました。

本焼き後の完成作品の鉢・陶盤

本焼き後の完成作品の鉢・陶盤

本焼き後の完成作品の鉢・陶盤

本焼き後の完成作品の鉢・陶盤


 作品は、睦草の教室でお渡し。お申込みのメニューに合えば、その場でその鉢を使って作品を作ります。

斜めに傾斜した自作鉢で作った山野草盆栽とヒヨコの人形

同じ釉薬の三兄弟に植えた山野草盆栽

 自分で作った鉢で作る盆栽は、愛おしさが倍増します。

   この夏も、陶芸体験教室を企画する予定です。ご希望ありましたら、ぜひ、ご参加ください。次号の睦草だよりで申込についてのご案内いたします。


6月のミニ講座

  6月のミニ講座は、挿し木です。山野草の挿し木について説明しますが、樹木の寄せ植えにご興味のある方には、立ち上がりの曲(直線ではなく曲がっている方が自然風になる)をつけるための挿し木の方法を実技でお伝えします。お申込み時のコメント欄に記載いただきましたら、準備いたします。(すでにお申込みの方は、間近に送るご案内メールにご返信いただけますと幸いです)これから樹木と山野草の寄せ植えをされたい方もぜひどうぞ。



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教室の日程・予約について

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、引き続き、定員3名にして実施いたします。
ご希望の日程が既に満席、もしくは、設定された日と自分の都合が合わないケースもあるかと思われます。そのような場合は、今設定されていない日程でもよいので、皆さまのご都合の良い日程をご連絡ください。教室の都合が合えば、新規日程として追加いたします。
 また、メールでの教室のご予約は、こちらを参照ください。


今後の教室の予定

 7月までの予定を公開しています。8月の予定は、調整中です。(8月は暑いため、鉢盆栽はお休みです。苔玉のみ教室を実施します)決まりましたら、以下のサイトからお申し込みサイトへのリンクを貼るようにいたします。ご確認の上、お申し込みください。
 


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