睦草だより 第31号 2022年4月

ヤマモミジの新芽が出てきました



春の花つぎつぎに

 今年は、花が咲くのが遅いなと思っていたら、咲き始めたら次々に開花。オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ハコベ、ミチタネツケバナ、ハナニラ、コバンソウ、タチツボスミレ、ユキヤナギ、ニワウメがアプローチを彩ります。また、木々の新芽も一気に展開してきました。

 生まれたての緑の葉でいっぱいになるこの季節、私は大好きです。

 山野草の盆栽も冬には跡形もなくなっていた草花達が小さな新芽を次々とのぞかせる時期。ワレモコウ、ツクシカラマツ、バイカカラマツ、ヒトツバショウマ、ヤクシマショウマ、タンナチダケサシ、マルバシャジン、イワシャジン、、、発見したときは、毎年のことながら、心が躍ります。
 春は何かと忙しい時期ですが、これらの自然のくれるプレゼントを一緒に楽しみましょう。

4月のお手入れ

置き場所 しっかり日にあてて
 草花たちが著しく生長する時期です。半日陰を好む植物もしっかり日光にあてて、徒長しないようにします。

水やりは1日1回
 水やりは1日に1回が目安となりますが、春の嵐もある頃です。風が強いときは、こまめにチェックして鉢の表面が白く乾いていたら、たっぷり水をあげましょう。

害虫対策は早めに実施
 そろそろ害虫が出てくる時期です。一番の害虫対策は、草を丈夫に育てること。アブラムシなどは弱い草につきやすく、丈夫な草は少々の病気はすぐに回復します。

 発生してしまったら、すぐに殺虫剤で退治します。この時期に注意したいのは、アブラムシ。見つけたら、すぐにアブラムシに効くスプレーをかけ、オルトランなどの顆粒状の薬剤を根元に施します。私は株元に小指の先ほどの穴をあけ、その中に顆粒状の薬剤を入れ、また土を戻しておきます。水やりで溶けた薬剤が植物に吸い上げられ、葉を食べた害虫を退治することができます。


殺虫スプレー ベニカグリーン殺虫剤 オルトラン粒剤



 このスプレーや顆粒状の薬剤は、青虫などにも効くのでそろえておくとよいでしょう。ホームセンターの園芸コーナーで扱っていると思います。

 オルトラン粒剤は、100円ショップで売っている、高さ13㎝ほどの調味料入れに小分けしておくと、すぐに手軽に使えて便利です。
 
調味料入れに入ったオルトラン粒剤


 ナメクジは一年中出てきます。夜行性なので夜、懐中電灯でかざすと見つけられます。私はナメクジに遭遇することを避けたいので、忌避剤を鉢に蒔くようにしています。

 早めに処理をするためにも、毎日の観察を欠かさないようにしてくださいね。

肥料は忘れてないですか?
 肥料は開始しましたか?限られた鉢という空間の中では、肥料はとても大切です。ついつい忘れがちな肥料ですが、しっかりあげることが、丈夫にし、花つきや実つきをよくする秘訣です。

新芽の調整 抜くことが肝心
 冬の間、地上部がすっかりなくなっていた宿根草(シュッコンソウ)や一年草の新芽が出てくる時期です。数が多すぎたり、位置が悪いところに生えたりしたものは、抜いてバランスを整えます。抜いたものは、空いたスペースに植えたり、小さな別の鉢に植えたりすると楽しめます。新芽が小さいうちに行うと、抜きやすく、植えた後の根付きもよいようです。


お手入れレッスン

 春は、まずは自分の鉢を一つ一つチェックしてお手入れするところから始まります。ただ、いろいろ芽生えた新芽、抜いたほうがよいかどうか、最初は迷うもの。そんなときのために、Step1にお手入れレッスンがあります。このレッスンはいつ受けてもいいのですが、特に春は、ニーズが多いように思います。先日、このメニューのレッスンがありましたので、どんな感じなのかをご紹介します。

 今回、今までに作った寄せ植えをたくさん持ってきていただきました。

お手入れ前

 どれもとても元気に育っております。鉢を一つ一つ見て、次のことを一緒に行いました。

①植えた草で茶色になっている葉や茎、大きくなりすぎた葉を根元からとる。
②新たに生えてきた草を一つ一つ確認し、抜いた方がよい草は抜く。(雑草、鉢の縁に生えてきたものなど)
③鉢をよく見てどこを正面にするかを決める。
④新たに増えた草で多すぎるものは抜く。
⑤正面から見て、位置が悪いものは、抜いて、よい位置に植えなおす。(ex.一直線に並んだものを不等辺三角形に配置)
⑥苔を一旦はがし、綺麗な部分を使って、株元近くから貼りなおす。

 

 「3鉢くらいやると手順やコツがわかってきました。どんどん葉をすっきりさせたくなってきます」とのお言葉。最初は抜いたり切ったりすることに躊躇します。でも、一度スッキリさせることを体験すると、その方が見た目にもいいし、植物にもいいことがわかってきます。慣れることが大切なのかもしれません。


お手入れ後(小さな鉢のいくつかはお手入れ方針のアドバイスのみ)

 この時期のお手入れはさらにいいことがあります。一冬越した鉢をお手入れすると、草達が互いになじんでいるので、その瞬間に作品になるのです。最初に作ったときよりも、自然な感じになるからでしょう。いくつかの鉢を組み合わせて、Web展示会用の写真も撮らせていただきました。

 作品を蘇らせるこの作業が、私は一番好きです。
 ぜひ、みなさまにもその嬉しさを味わっていただけたらと思います。


4~5月に活躍する草花




スズラン(鈴蘭)

 4月から5月に、真っ白な釣鐘型の花が鈴なりにつき、良い香りもします。花がおわったあと、うまくすると緑の実がつきます。メイドのキャップのような白い帽子をかぶった様子はとてもキュート。その実は、秋にはオレンジに変わり、枯れ色の葉と一緒に楽しめます。ただし、スズランは、有毒植物。扱うときは手袋をはめ、飾る場所も食卓などは避けるようにしましょう。
https://www.instagram.com/explore/tags/suzuranra34/でご覧いただけます。


樹木と山野草の寄せ植え


 3月に樹木と山野草の寄せ植え勉強会を実施し、計7名の方に参加いただきました。ご参加いただいた方、ありがとうございました。普段とは違う作業に苦労する場面もありましたが、みなさまとても素敵に仕立てられました。



 山木風に針金を使わず仕立てるので、樹木の素材選びも盆栽づくりの重要な要素。選ぶときの着目点や、山野草と一体化させる植え付け方などを学んでいただきました。盆栽は作った時がスタート。これから長期的な視点で樹形を作っていくことを楽しんでいきましょう。
 
 樹木の植え替えの適期は、(素材ごとに異なりますが)春と秋。秋にも、秋の植え替えに適した素材で企画したいと思います。(慣れていないと作業が難しいので、Step2もしくは鉢盆栽を3回以上実施した方を対象とします)

 一度勉強会に参加した方は自分で選んで買った樹木の素材を通常のレッスンに持ち込んで植え付けすることが可能です。また、ユキヤナギやシモツケなどの灌木は、樹木ですが、草と同様な扱いで、時期をあまり選ばずに植えることができ、こちらで準備することも可能です。ご希望の方は、予約時にご相談ください。


春の野草観察

 3月21日(月・祝)の春の野草観察を開催しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
 高尾山の裏側(ケーブルカーなどのない方)から小仏川沿いを約3㎞散策しました。

渓流の近くに生えるハナネコノメ

ハナネコノメのアップ。赤いシベが見られるのはこの時期ならでは

 駒木野/野草を守る会の方が、その時に咲いている野草の場所を次から次に案内してくれます。また、名前の知らない花を見つけた際にも、すぐに名前を教えてくれます。60種類近く、観察したのではないでしょうか。普通に歩いていたら、見過ごしてしまいそうな、小さな草花たち。発見するたびにワクワクする楽しい時間でした。

私のお気に入りヨゴレネコノメ(ネーミングをもう少し考えてほしかった)

春の妖精 ヤマエンゴサク(咲きはじめ)

 案内の方曰く、「この時期は3日もすると咲く花が変わる。ぜひ、まめに来てください」とのことでした。

 また、良い時期に企画をしたいと思います。自然に生えている姿を見るのは、作品づくりに大変参考になると思います。ご興味のある方、ぜひ、ご参加ください。


土の販売について

 何人かの方からご要望いただいたので、鉢盆栽用の土をお分けします。
 
 900ml(4号鉢2~3つ分) 440円
  ※最近の土の配合、赤玉(焼成硬質)7:ひゅうが土3

 ご希望の方は、お声がけください。植えるものによっては、別の土の配合も可能ですので、事前にご相談ください。


展示会・イベント情報

こちらを
確認してください。(日草展、青柳展、大多摩山草会春の展示会についてのせております。)


教室の日程・予約について

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、引き続き、定員3名にして実施いたします。 

 また、メールでの教室のご予約は、こちらを参照ください。


今後の教室の予定

 5月までの予定を公開しています。6月の予定は、調整中です。決まりましたら、以下のサイトからお申し込みサイトへのリンクを貼るようにいたします。ご確認の上、お申し込みください。
 


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