新年、あけましておめでとうございます。
おかげさまで、昨年10月に、睦草の盆栽教室は4年目を迎えることができました。ちょうど、新型コロナウイルスの感染拡大とほぼ重なる期間。手探りで運営した教室でしたが、おかげ様で通ってくださる生徒さんが少しずつ増え、長く通ってくださる生徒さんの作品も、年々、風情が増してきています。
最近思うのは、「盆栽は、作ることよりも、長く育てることが難しい。ただ、長く育てることができると、新たな素敵な景色が見えてくる」ということ。昨年は、そのような感覚を少し、生徒さんにも味わっていただけるようになったように思います。引き続き、生徒さんと一緒に新たな景色を見ていきたいと思っています。
昨年、睦草としては、三つの新たなチャレンジができました。
■一つ目 樹木と山野草の寄せ植え盆栽の勉強会の開催
山野草の盆栽を長いこと続けるなかで、野山の風景を鉢に映し出す際に、自然な形の樹木と寄せ植えしたものを作りたいという新たな願望が出てきました。そのために樹木の盆栽を習いに盆栽園に通い始めたのが、7年前。そして、雑木と山野草の寄せ植え盆栽の勉強会の草樹会に通い始めたのが、4年前。
少しずつ、それらの作品も増えてきました。その私の作品を見た生徒さんから、教えてほしいとのご希望を多くいただいたことから、春と秋に勉強会を開催する運びとなりました。
樹木の盆栽は、長期プランで作っていきますが、樹木が入ると、さらに表現できる世界が広がります。一方で、学ぶべきことは広くて深い。それらを引き続き学びながら、わかりやすい形で、生徒の皆さんに共有していきたいと思っています。勉強会の様子はこちらからご覧いただけます。
■二つ目 野草観察ツアー
自然の風景を盆上に映し出す山野草盆栽。草木がどんな姿で自生しているのか観察するのは、作品作りにとても役に立ちます。私も時々、高尾山や弘法山などに行って、風景を観察しておりました。
そんな折、生徒さんから、高尾山の近くで開催された野草観察ツアーがとても面白かったというお話を伺いました。せっかくなので、その案内される方に私の教室の生徒さん向けにツアーを組んでいただけないかどうか、相談してみることにしました。結果、快く承諾いただき、春と秋に1日ずつツアーの開催ができました。
よく知っている方と散策すると、どこに何が咲いているかよくご存じで、一番いい場所を案内していただけます。また、名前の知らない草花もお聞きするとすぐにお名前を教えていただけます。とても楽しくそして、ためになるツアーとなりました。ツアーの様子はこちらからご覧いただけます。
春 ハナネコノメ |
■三つ目 生徒さんと私で行った模擬展示会
盆栽は、作ったときよりも、少し年月を経た方が味わい深くなってくるもの。それらをいくつか組み合わせて、春の景色を作ったり、秋の景色を作ったりするのは、楽しいものです。
睦草でも、会員の皆様が丹精込めて育てた作品を見ていただく展示会をいつか開催できたらなと思っております。ただ、始めたばかりの方も多いので、日程の決まった展示会に自分の作品の見頃を合わせるのは至難の業。そこでまずは、自分達だけで飾って、写真を撮る模擬展示会を実施することにしました。
いくつかの作品を組み合わせて景色を作る飾り方を席飾りというのですが、作品の選び方、地板や台の選び方など、いろいろな工夫のしどころがあります。さらに、その日一番の見どころをアピールするようなお手入れ。花は咲いていなくとも、見どころはたくさんあります。実際に経験することで、多くの学びがあったとの感想をいただきました。
同じ盆栽でも、季節ごと、年ごとに景色は変わり、同じ姿は二度と見られません。引き続き、模擬展示会をしながら、皆さまの作品を写真に残していければと思います。
模擬展示会で展示された作品はこちらでご覧いただけます。
私個人としても、新たなチャレンジが一つできました。
■高尾駒木野庭園の錦秋ぼんさい展への出展
古民家で実施されるこの展示会は、新型コロナが始まってからは、屋外の展示のみとなっておりました。昨年秋は、久しぶりに屋内の展示も可能となり、お声をかけていただきました。
駒木野庭園は、昭和7年頃に立てられた、小林医院(現 駒木野病院)の院長のご自宅だったところ。趣のある日本家屋で八王子市に寄贈されたのちに、日本庭園も整備されて素敵な空間となっています。
今回、その病院の女医さんの直筆の書の屏風の前に飾らせていただきました。
久しぶりのリアルの展示会は、とても勉強になりました。また、機会ありましたら、参加したいと思っています。
今年も、いろいろな変化がありそうです。楽しそうなこと、ためになりそうなこと、いろいろチャレンジしていきたいと思います。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。