3月21日から24日まで、東京、高尾にある駒木野庭園で陽春庭園ぼんさい展が開催されました。駒木野庭園は、高尾山の裏側にある、昭和初期に建てられた古民家。お医者さんのご自宅だった場所です。枯山水もある日本庭園もあり、とても雰囲気のよいところです。ぼんさい展では、その古民家の中で行われました。
通常の展示会は、伝統的な樹木の盆栽の会や、山野草の会が主催するため、その会のジャンルの盆栽がたくさん見られる場となります。一方、このぼんさい展は、ある特定の会やグループの展示会ではなく、いろいろな会の方や個人が参加するので、伝統的な樹木の盆栽から草もの盆栽、雑木と山野草を組み合わせた草木盆栽など、さまざまなタイプの盆栽が楽しめます。
盆栽の展示会は、一つの作品を展示する1点飾り、複数の作品を組み合わせて景色を作る席飾りがありますが、こちらは、後者が見られます。床の間や畳・床の上に青氈を敷き半畳から1畳ほどのスペースにゆったりと配置された盆栽を見ることができます。それぞれの席にあった屏風もたてられ、盆栽を飾るにはこの上ない設えがこの展示会の素晴らしいところです。
今回は、ちょうどいいタイミングで咲いてくれたレンギョウとメリケンガヤツリの寄せ植えをメインに、つぼみが開き始めたシマントネコヤナギ、タチツボスミレの根洗いを組み合わせ、春の景色を作りました。入り口の前の広間のスペースに初めて飾らせていただき、とても嬉しかったです。
| レンギョウ・メリケンガヤツリ(自作鉢・自作陶板) シマントネコヤナギ・ニガナ(自作鉢) タチツボスミレ(自作陶板) |
いらしていただいた方と一緒に、席の前に座って、作品をご覧いただきながらお話するのは、とても楽しく幸せな時間です。
展示会は日程が決まっているので、その時にぴったりの作品で構成するのは、なかなか至難の業です。咲くと思っていた花がまだ咲かなかったり、逆に咲きすぎて終わりになってしまったり。それでも、春の始まりのこの時期を表現するという席飾りは、難しい分、学びも大きいです。
この貴重な経験を盆栽教室でも生かしていきたいと思っています。